2008年12月24日水曜日

公共経済学: 『フリーター漂流』と参院予算委員会質疑

「公共財としての所得再分配」の簡単なモデルを紹介。そのあと、NHKの『フリーター漂流』を30分ほど観ました。つぎに共産党の市田書記局長の予算委員会での質疑を観ました。非常に面白いやりとりでした。

 私は市場原理の機能を信じています。もっと「官から民へ」をすすめて政府の仕事を効率化できると思っています。ただし、市場原理が正しく機能するには、契約の概念・法制度・法執行体制・信頼などの基盤が整備されていなければなりません。それらがないまま市場化を推し進めると、最悪の結果になります。今回の偽装請負の問題は、まさに"市場の暴走"でしょう。

 市田議員の質問に対して、内容のある回答を避ける厚生労働省職業安定局長の逃げ腰の役人答弁をみると、まだまだ市場原理を推し進めるには慎重にならざるをえません。

2008年12月17日水曜日

公共経済学:所得税と労働供給

所得税が労働供給におよぼす効果について考えました。税によって労働供給が減るとよく言われますが、必ずしもそういうわけではないということを確認しました。あとは、『無知のヴェール』という考え方を紹介しました。

2008年12月16日火曜日

実験経済学:市場実験

実験経済学の歴史についてふれたあと、市場実験の再現を試みました。ふだんの教室ではなく、オープンスペースの大きくとれる教室に移動して、みんなで買い手・売り手となり、がやがや交渉、市場ゲームをやってみました。需要曲線と供給曲線の交点に収束するような結果になったのでしょうか。

2008年12月15日月曜日

基礎ゼミ:日本の知識偏重型教育、夕張市にならないために

今日はふたりに資料提示、プレゼンをしてもらいました。テーマはタイトルのとおり。興味のある課題は見つかっても、その後に続けるのはやはり難しい。それがわかっただけでもいいと思いますよ。

公共経済学:税の累進性とローレンツ曲線の関係

累進性があるなら、ローレンツ曲線の上方シフトがおきるはずだという命題を紹介、証明しました(一部宿題)。

2008年12月9日火曜日

実験経済学:Level-k思考の解説

Level-k思考の解説をしました。最後通牒ゲームと独裁者ゲームの違いについてもグラフで紹介しました。"fairness"の概念が実は結構 fragile だったりもすることがわかりました。

2008年12月8日月曜日

基礎ゼミ:なかなか難しい

先週のプレゼンで一番良かったと投票で選ばれた人にもう一度話してもらいました。ストレートな怒り・疑問があっても、それをリサーチ・クエスチョンに落とし込むのは結構難しいことがやはり判明。いや、本当に難しいのだなと思います。

公共経済学:最適非線形所得税のモデル

最適非線形所得税のモデルをハミルトニアンにしてみました。1階条件をたくさん書いたのですが、ちゃんと使っていません。いずれもう一度ときなおしてみます。そのあと均等犠牲説を紹介しました。

2008年12月3日水曜日

公共経済学:最適労働所得税

最適線形労働所得税の特徴を1階条件式より確認。来週は非線形所得税をやります。レポートディスカッションもしました。

2008年12月2日火曜日

実験経済学:時間選好の論文つづき

時間選好(S字カーブの時間割引関数)について、私のプレゼンを続けました。ちょうど時間通りに終わりました。

2008年12月1日月曜日

基礎ゼミ:ショートプレゼン、自分の関心

ゼミのみなさん一人一人が、自分が本当に関心があることを5分ほどでプレゼンしてもらいました。しびれるプレゼン、光るものも多くありました。とてもよかった。

公共経済学:レポートディスカッション

提出してもらったレポートをもとにディスカッションをしました。タバコの"適正価格"について、学校選択制度について、意見・感想を交換しました。最適所得税のモデルは水曜日に続きをやります。

2008年11月26日水曜日

公共経済学:最適労働所得税(つづき)

最適労働所得税のつづき。はじめは、線形所得税に議論をしぼってみます。途中で、社会厚生関数というアイディアについて解説しました。βの所得の社会的限界価値のところまで解説しました。

2008年11月25日火曜日

実験経済学:時間選好とlevel-k思考実験

時間選好・異時点間選択におけるアノマリーについて話しました。level-k思考実験もやってみました。実験結果は、日経ビジネスアソシエ 2009/02/03号でみることができます。

2008年11月19日水曜日

公共経済学:最適労働所得税

最適労働所得税のモデルを導入し始めました、えんえんとモデルをといて、とりあえずIC(の1階条件)までたどりつきました。

2008年11月18日火曜日

実験経済学:オークション理論のナッシュ均衡

First Price 入札オークションで、対称ナッシュ均衡を求めてみました。value の確率分布を一般的な形のままで計算したので、微分方程式を解くことになりました。

2008年11月12日水曜日

2008年11月11日火曜日

実験経済学: オークション理論

common value auction 実験の結果解説と、First price sealed bid auction のナッシュ均衡戦略の導出を途中までやりました。講義中に最後通牒ゲームの実験もしました。結果はまた後日、解説します。

2008年11月10日月曜日

基礎ゼミ:本当に話したいこと

本当に話したい・伝えたいと思うことを探してみました。それさえあれば、プレゼンスキルは後からついてくるはずです。

公共経済学:Ramsey Rule 導出

先週までは支出関数の側から最適課税のラムゼールールを導出したのですが、今回は間接効用関数を使って同様のことをしました。

2008年10月29日水曜日

公共経済学:Grovesメカニズムつづき ラムゼイルール

ラムゼイ・ルールと逆弾力性のルールについて説明しました。宿題の提出は来週の水曜日です。

2008年10月28日火曜日

実験経済学:収入同値定理

とりあえず価値が一様分布のときの収入同値定理を考えました。また、経済学でいう「モデル」には現実性がないけど、本当にそれでいいのか、ということを講義の前半では考えてみました。

2008年10月27日月曜日

公共経済学:Grovesメカニズム

「モデルに覚える違和感を大切にしよう」というメッセージで例題を考えてみました。Grovesメカニズムも導入。

2008年10月22日水曜日

公共経済学:「道徳なき経済は犯罪である」

純粋公共財とリンダールメカニズムについて。サミュエルソン条件とリンダールメカニズムを説明しました。

二宮尊徳さんが言ったという「道徳なき経済は犯罪である。経済なき道徳は寝言である。」を紹介しました。経済学をやっていると「経済なき道徳は寝言だ」ということばかり見えてきて、それがしまいに「道徳=寝言」みたいな致命的な誤解に陥ることがあります。そうじゃなくて、犯罪的な経済(資本の論理)に対抗できる「寝言でない道徳」を追求しましょう。

2008年10月21日火曜日

基礎講義:オークション理論の導入

先週やったfirst price bid auction の教室実験の結果について考察しました。危険中立的な目的関数を前提としてナッシュ均衡を計算することができるのですが、実際に観察された入札額は、均衡入札よりもずっと高いものでした。このちがいをどうやってうめることができそうか、考えてみました。

講義の最後に common value auction の実験もしました。プラスチック製の貯金箱のなかに10円玉と100円玉をいれ、それをオークションにかけました。来週、結果について考えましょう。写真は、オークションにかけられた硬貨です。いくらぐらいあると思いますか? それを競り落とすためにいくらまで入札したいですか?

2008年10月20日月曜日

基礎ゼミ:AERAの記事について意見交換しました。

AERAの記事「ハケンは産むな、というのか? 出産、非正社員の格差」について意見交換しました。今日は、東大から労働経済学をご専門に研究なさっている方にゲストとして参加していただきました。どうもありがとうございます。

一橋祭にいらっしゃる meg rock さんも少し飛び入りで参加してくださいました。

公共経済学:共有資源の持続可能性

共有資源(common pool resource)の持続可能性を考えたモデルを説明しました。そのあと、純粋公共財の定義にうつりました。

2008年10月15日水曜日

2008年10月14日火曜日

基礎講義:アレの反例とプロスペクト理論

アレの反例とプロスペクト理論を説明しました。private value オークションの実験もしてみました。

2008年10月8日水曜日

公共経済学:外部性つづき

外部性のつづきを講義し、排出権のアイディアも説明しました。宿題(しめきり10月20日午前9時)を出しました。

2008年10月7日火曜日

基礎講義:実験経済学の初回

初回のガイダンスです。実験経済学がなにをやりたいのか、最後通牒ゲームを使いながらすこし説明しました。

2008年10月6日月曜日

基礎ゼミ:選考レポートを送ってください

38名のみなさんがガイダンスに来てくださいました。ゼミの人数はやはり10~15人が適当ですので、ゼミ選考としてA4用紙1枚のレポートをメールで送ってください(詳細はwebシラバスにあります)。10月10日(金)の午後11時まで受け付けます。

なお、ゼミに参加してもらったものの、実は全然やる気のない学生さんだった、という場合には単位認定しないことも十分にあります。あしからずご了承ください。

公共経済学:厚生経済学の基本定理→外部性

パレート最適、エッジワークボックス、厚生経済学の基本定理を復習。外部性の解決について、ピグー税やコースの定理に言及しました。スライドはwebクラスからダウンロードできるはずです。宿題は来週の水曜日15日に提出してください。

2008年10月1日水曜日

公共経済学:ガイダンス

初回は約30分のガイダンスを2回しました。出席者は全部で26名。ガイダンスの最後にミクロ経済学に関連した以下の4つのキーワードについて、だいたいの意味を紙に書いて提出してもらいました。参考までに正答率は以下のとおりです。いきなり聞いてしまったのですが、それでも正答率はかなり高いほうだと思います。みなさん中級ミクロはだいたい押さえているようです。次回は10月6日(月)の1限です。

 スルツキー方程式   65%
 コースの定理     46%
 ラムゼールール    12%
 厚生経済学の第1定理 54%

東京都の最低賃金は時給で766円ということでした。
http://www.roudoukyoku.go.jp/wnew/t-toukyo.htm

2008年9月25日木曜日

基礎講義:人数が多い場合

履修希望の人数が多い場合には抽選によって、履修登録を制限させていただくことがあります。履修を希望する方は、初日(10月7日)のガイダンスに必ず出席してください。

基礎ゼミ:人数が多い場合

履修希望の人数が多い場合には抽選・レポートによって、履修登録を制限させていただくことがあります。履修を希望する方は、初日(10月6日)のガイダンスに必ず出席してください。

また、レポートとして、A4用紙1枚に簡単な「自分の人物紹介・ゼミでやりたいこと」を書いて、初回に持ってきてください。参考にさせていただきます。