2009年1月31日土曜日

実験経済学:期末試験

2月3日は期末試験でした。本でもノートでも持ち込み可。問題としてたとえば次のようなものに答えてもらいました。「最後通牒ゲーム」については解説しましたが、Roth et al.の実験も、Bでの追加実験についても講義中で話したことはありません。講義で話したことをそのまま繰り返すだけのテストにはあまり意味も面白みもないので..。

問2(5点+7点)最後通牒ゲームについて。
A. Roth他が行ったイスラエル、スロベニア、米国、日本の比較実験がある。提案者が行った平均提示額(受け手への分配提案額)は、スロベニア=米国>日本>イスラエルと並んだ。しかし、実際の拒否率には相違はみられなかった。これらから文化差を読み取るとすれば、どのようなことが言えるか。5行程度で述べよ。

B. 受け手が提案を拒否する動機について考えよう。以下の2つの追加実験はどのような動機を読み解くつもりなのか答えよ。それぞれの実験での拒否率が異なるものとして、10行程度で述べよ。
通常実験  通常の最後通牒ゲーム。
実験1  受け手は受け取りを拒否できるが、提案者自身への分配は提案者が行ったとおりに支払われる。受け手の選択は提案者に知らされる。
実験2 受け手は受け取りを拒否できるが、提案者自身への分配は提案者が行ったとおりに支払われる。提案者は受け手の行動を全く知ることなくゲームを終える。

公共経済学:期末試験

期末試験は自作のノートと配布資料(スライドなど)を持ち込み可としました。いろいろと覚えたりするのは私自身きらいでしたから。試験問題は、モデルのアイディアを記述してもらうものと、モデルの計算をしてもらうもの半分ずつです。計算問題の例として第1問は次のようにしました。このぐらいは簡単すぎますでしょうか...?

問1
X地点からY地点まで行くのに「一般道」と「高速(道)」の2ルートがある。一般道を使うと移動コストはつねに1かかるのに対し、高速を使ったときの移動コストは高速を使った人口αに等しい。したがって、1だけの人口がXからYへ一斉に移動するとき、総移動コストはC=(1-α)×1+(α×α)となる。

a). 各個人が一般道を通るか高速を使うかを自由に選ぶとしよう。このときのナッシュ均衡を考え、αをもとめよ。
b). Cを最小にする最適α*をもとめよ。
c). 各個人の自由意志を尊重しつつCを最小化したい政府が、高速の使用に税金をかけるとする。最適な税額t*をもとめよ。ただし、税はCに含まないものとする。
d). 「外部性」を定義・計算し、最適ピグー税額tを求めよ。t*と比べて論ぜよ。

2009年1月28日水曜日

公共経済学:自然独占の規制

公共経済学は、主に「市場の失敗」について考える経済学の一分野だと思います。その市場の失敗の例として、外部性、公共財についてはカバーしました。もうひとつの代表的な市場の失敗は自然独占のケースでしょう。講義の最終回で、ピークロード料金のモデルを解説しました。これで今学期はおわりです。お疲れ様でした!

2009年1月27日火曜日

実験経済学:BDM法

市場実験のレポートについて解説。実験での取引が余剰を最大化していない結果について考察しました。そのあと、BDM法について解説。賞金Xを確率Pで支払うくじ(X,P)の価値をどうやってBDM法が"あぶりだす"のか説明しました。最後だったので、メッセージとして「夢をもて!」と伝えました。

2009年1月26日月曜日

公共経済学:一般均衡モデルと部分均衡モデルのちがい

税の帰着が、一般均衡分析と部分均衡分析とでは全くことなることを示しました。mobile な労働と、immobileな資本を考えてみましょう(mobilityについては逆の方がしっくりくるかもしれないけど)。部分均衡だとimmobile な資本が税負担を全部かぶるという結論なのに対して、一般均衡だと賃金率の下落を通じて、資本の税負担はトータルではゼロになるという結論です。対照的でおもしろい。

2009年1月21日水曜日

公共経済学:一般均衡モデルでの分析

ひきつづき2×2モデルの解説。税の導入がどのように要素価格を変化させてうるのかを見ました。資本集約的な財への課税がどのように要素価格に反映されていくのか、など。わかりやすいモデルですね。

2009年1月20日火曜日

実験経済学:市場実験

eye-spot についての実験結果を紹介。そのあと、市場実験と教科書モデルと現実の市場とのちがいを考えてみました。

2009年1月19日月曜日

公共経済学:法人税の帰着

一般均衡分析をするための基本的なモデルを解説したほうがよいと思いました。そこで、2×2の生産経済(2要素、2財)モデルを導入しました。1次同次の生産関数をもつ競争的な企業によって各財が生産されていて、財そのものは国際的価格(固定)で取引されているというモデルです。MWGの教科書では15章に登場するものです。

2009年1月14日水曜日

公共経済学:宿題。法人税の一般均衡分析

宿題をだしてもらいました。法人税帰着の一般均衡分析にとりかかりはじめました。