2012年1月25日水曜日

公共経済学26: モデルのトリックを探す

『ランチタイムの経済学』のスプリングフィールドの水族館の寓話を読みました。公共財であるはずの水族館がなんら便益をもたらさない。一見すると、とくに変な仮定を置いているようには思えないモデルなのに、結論はどうも納得がいかない寓話です。どこがどう納得がいかないのか、「不自然」なのかを考えてみました。そこが理解できてはじめて、標準的なモデルのインプリケーションがよく理解できるという仕組みです。

2012年1月23日月曜日

公共経済学25: 量的規制か価格規制か

このモデルを、しっかり自分で考えて図解してもらいました。すごくアイディアは簡単なのだけど、それを図解しようとすると、ほとんどできないが現状。標準的な練習問題を解いておしまいな「ミクロ経済学」の教え方の限界を感じ取ってほしい。そして、それを乗り越える思考方法・思考力スイッチの入れ方さえわかれば、と(不遜ですが)思います。

2012年1月19日木曜日

実験経済学β13: ベイズ学習と強化学習

ベイズ学習と強化学習をあぶりだす実験について。また、モンティ・ホール問題もやってもらいました。そして、中位投票者定理の説明にあたって、「平均値」が代表としてどのような性格をもっているのか、説明しました。

2012年1月18日水曜日

公共経済学24: 量的規制か価格規制か

費用と便益に不確実性があるとき、事前に量的規制水準を定めるのか、ピグー税である程度のフレキシビリティをもたせたほうがいいのか。これを考えるモデルの説明をはじめました。"Prices vs. Quantities," Review of Economic Studies, 41(4), 477-491, October 1974.

2012年1月16日月曜日

公共経済学23: 税の帰着分析3

このモデルで課税の効果と税の帰着(誰が実質的に負担するのか)を考えたい。価格は6種類、X財、Y財、X産業でのrとw, Y産業でのrとw。それぞれに課税して、どのように均衡が移り変わるのかをみてみましょう。講義中では、「資本集約なX産業はぜんぜん雇用をうまないけしからん産業だから」「X産業に労働補助金をだして、もっと雇用を伸ばそう」と「X産業での資本レンタルに課税」をその場で考えました。必ずしも均衡賃金が上がるわけではなく、裏目に出ちゃうこともあるのです。このモデルはMWG15章にのっています。

2012年1月11日水曜日

公共経済学22: 税の帰着分析2

生産関数が一次同次で均衡では利益がゼロになるはずだから(というトリックを使って)、均衡r-wがその unit-cost curve 上にあるはず。資本集約的なX産業、労働集約的なY産業、これらのunit-cost curve の交点でしか均衡はありえない。均衡要素価格がわかれば、それに応じて、最適な要素投入比率がわかる。要素市場での需給バランスを考え合わせれば、均衡での生産量も決まる。
リプチンスキー定理の図解もやってみました。

2012年1月4日水曜日

公共経済学21: 税の帰着分析1

2財2要素モデルの導入。1次同次の生産関数や、"資本集約"の定義を確認。K-L平面にiso-quant curve を描いて、それをもとに、r-w平面に unit-cost curve を描く。というところまで。


年初早々の1月4日なので、Ustreamからリアルタイムで講義しました(欠席者もあとから視聴可)。