公共経済学(Public Economics)は、そのルーツはpublic finance(財政学)にあるわけですが、いまは、市場が"失敗"することを前提とした世界での応用ミクロ経済学だというお話をしました。
厚生経済学の基本定理とパレート最適のお話をおさらい。2人2財交換経済(エッジワースボックス)で市場機構の役割を再確認、効率性の条件をもとめるための最大化問題を定義。
外部性およびピグー税のエクササイズとして次の問題をときました。実はこれPigou(1920)が非効率的な均衡の例として考案したものらしい、これがもととなってPigou税と命名されるわけなんですね。
問:X地点からY地点まで行くのに「一般道」と「高速(道)」の2ルートがある。一般道を使うと移動コストはつねに1かかるのに対し、高速を使ったときの移動コストは高速を使った人口αに等しい。したがって、1だけの人口がXからYへ一斉に移動するとき、総移動コストはC=(1-α)×1+(α×α)となる。
a). 各個人が一般道を通るか高速を使うかを自由に選ぶとしよう。このときのナッシュ均衡を考え、αをもとめよ。
b). Cを最小にする最適α*をもとめよ。
c). 各個人の自由意志を尊重しつつCを最小化したい政府が、高速の使用に税金をかけるとする。最適な税額t*をもとめよ。ただし、税はCに含まないものとする。
d). 「外部性」を定義・計算し、最適ピグー税額tを求めよ。t*と比べて論ぜよ。
次に考えた問題はある経済学者から教えてもらったもの:冬に風邪薬(あるいは予防接種)の市場があって、そこで余剰が発生している。ところが春になると風邪は流行らないので、需要がなくなり、余剰もなくなってしまう。さて、この観点から冬と春、どちらが望ましいのか。という問題。モデルを使ってクリアに考えてみましょう。学部2年レベルのミクロ経済学ですが、どこまでできるか。宿題です。
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