2010年1月12日火曜日

実験経済学第28回:時間選好の神経経済学

まずは McClure et al. (2004) と Kable and Glimcher (2007, Nat Neurosci.)の論文について解説。前者は、β-δモデルを神経科学的に裏付けたという主張の論文。目の前の報酬に飛びついてしまうという現在バイアスと関連するβシステムと、時間割引を"合理的に"判断するほうのδシステムが、それぞれ脳の別領域にあるんだという主張(βシステムは大脳辺縁系にあるんだ、そうです)。後者は、その主張を否定する見解の論文で、現在割引価値(subject value)に反応する部分は共通だとしている。
 ただし、どちらの論文も、アプローチも計算もあんまりしっくりくるものではないなあというのが感想です。

1 件のコメント:

山田洋 さんのコメント...

はじめまして。神経科学の立場から神経経済学の勉強をしているものです。
時間選好のモデルについて、どちらもしっくりこないとのことでしたが、実験経済学・行動経済学の立場から、どのあたりがしっくりこないのか教えて頂けると助かります。